E130L改良 その4
さて、すっかりお馴染となったE130Lアンプであるが、すべてが完璧なわけではない。といっても、本来のオーディオの重要性の部分ではない気がするが・・・。つまり、それは何かというと、「熱」なのである。改良する前は真空管能力の約50%程度の余裕を持って駆動していたらしい。まあ、これは制作当時(18年程度前)の考えでそうしたというわけなのだが、これではあまりにも少なかったというわけで、今回の改良にあたって、これを80%近くまで引き上げてもらったのだった。その結果、音楽全体がより立体感を伴ってきた。具体的に言うと、一番メインとなる音がスピーカーの前に出てきたのである。奥行きの距離感についてはあまり差が出ていないと思うが、スピーカーより前部分の表現が充実してきたのである。一般的に、能率の高いスピーカーは音が前面に出てくる傾向にある。能率が低いと、スピーカーより奥で音場が展開する傾向にある。私のシステムである、このE130Lとフィールドスピーカーの組み合わせでは、音場がすべて奥で展開するということはなかったが、手前に大きく出てくるということも無かった。それが、今回の改良で、その部分においても顕著な変化が見られたのだった。もっとも、能力を80%まで引き上げたからといって、それがすべてではないのは確かだ。それよりももっと重要な改良を施しているからである。この部分は前述の項目を参照願いたい。
話はそれたが、「熱」である。つまり、この熱量が増した感じなのである。いや、確実に熱くなるようになったのである。店主にお聞きしたところ、電源トランスの温度は60℃位までは上昇するというものだった。もちろんそれよりも熱くなるのは、真空管であるが・・・。しかし、改良前の電源トランスは手でしばらく触れる程度であったが、改良後は数秒くらいしか触れないほどの熱である。ちょっと心配になり、ヒートシンクでも乗せようかと思ったくらいである。しかし、心配ないということであったのでそのままにしてあるが、熱はここだけではなかったのである。部屋全体にまで及ぼしていたのである。もっとも、今年も猛暑で外の気温は恐らく40℃以上にもなっていただろうから、その影響もあるのだろう。これは、いかんともしがたい問題である。
半導体アンプで、完全A級動作のハイパワーアンプをお使いのオーディオファイルは、結構な熱量があるだろう。しかし、一般的な半導体アンプでは、それほどでもないだろう。熱なんか考えたことも無い、という諸氏がほとんどだろう。だから、一般的に真空管アンプを購入するにあたり、そんなところまでは考えも及ばないという諸氏がほとんどであると思う。ところが実際にそこそこ面積、体積共に大きい真空管アンプはちょっと注意されたいところである。特に馬鹿デカイ845等の送信管を使っているようなアンプは、電源電圧も500V以上というものもざらであるので、その熱量は半端ではないのである。ちょっとした小さなストーブである。冬ならば一石二鳥となるが、夏場においては百害あって一利も無いのである。
結論であるが、今から真空管アンプを買おうとしているオーディオファイルは、かなり大きな熱源となることを注意した方が良い。
by omirabakesso
| 2013-11-21 12:30
| オーディオ
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