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タヌキ親父の部屋

フォノイコライザー

 今日はアナログレコードに関わるお話し。若い貴兄はフォノイコライザーと言ってもお分かりにならないかもしれない。簡単に説明すると、アンプ等のようにコンポーネントで揃えるとなるとアナログレコードを聴く際に必要となる場合があるもので、カートリッジから取り出した極微小信号をプリアンプで増幅可能なレベルまで引き上げるものである。ただし、プリアンプにphono端子がある場合は取り立てて必要は無い。それでも、さらに良い音で聞きたい、という場合にはフォノイコライザーを使用してプリアンプのAUX端子等に接続して聞くといったことも可能である。
 さて、ではなぜこのフォノイコライザーが必要か。一つは、アナログレコード特有の音声カーブ(RIAA)を自然な音声カーブに戻すことと、カートリッジから取り出した音声信号をプリアンプやパワーアンプに必要である音声信号に増幅するためである。ちなみに、1950年以前は各レコード会社によってその音声カーブは異なっていた。これを統一するために出来たのがRIAAカーブである。そのため、このRIAAカーブ統一以前のレコードを再生するには各レコード会社に合ったイコライザーを使用する必要がある。さすがに現在市販品ではこれに対応するものは見当たらないが、ガレージメーカーで製作してくださるところもあるようなので特注でお願いするしかない。ちなみにRIAAカーブとは、簡単に言えば高音部の音波は大きな振幅とし、低音部の音波は小さな振幅とすることでレコードに音波を刻むことを可能としたものである。そして、このカーブの特性を統一したものがRIAAカーブである。
 
 私の使用しているフォノイコライザーはサウンドパーツ製プリアンプLIVE5に内蔵されている。現在は多少部品等が変更され「Love Five」となっている。昔はサウンドパーツでもフォノイコライザーを単体で販売していたこともあったが今はしていないようだ。下記画像は以前プリアンプ2でも紹介したLIVE5の内部である。
フォノイコライザー_a0277279_11382130.jpg
 白ラインで囲まれた部分、上部4本の真空管(茶色の真空管ラジエターが付いている)と、左に見える4つの銀色円筒形と、その右上の2つの円筒形部分がフォノイコライザー部分である。回路はLCR型である。
 ここでLCR型の説明をば・・・。一般的に市販のフォノイコライザーはNF型もしくはCR型である。中でもNF型がほとんどで、おそらく99%以上であろう。NF型とはNFつまり、ネガティブフィードバックのことで、パワーアンプで言われるNFBのことである。つまり、よく言われる通り、ノイズが出にくく、容易にカーブ特性が出せるなどの如何にも市販に向いた回路なのである。しかし、私はどうしてもネガティブフィードバックが掛ったものは綺麗な音になりすぎるきらいがありやはり好きになれない。
 ではCR型はというと、C(コンデンサ)とR(抵抗)でカーブ特性を作る非常にシンプルな回路である。非常にシンプルゆえ使う部品のクオリティがとても重要になってくるのである。つまり、部品の選別が肝である。NF型とは違い電気信号が一度しか通らないので各パーツ選びが重要なのである。一般的に自作派やガレージメーカーの製品に多く見られる回路である。私としてはNF型より好きである。
 さて、最後にLCR型であるが、LCR型はCR型にプラスしてコイルを使用する回路である。LCR型は定インピーダンス回路となるためノイズにとって有利となり最も自然な増幅を可能とする。では、なぜメーカーはLCR型を採用しないのか。理由は簡単である。製造コストに難があるのである。

1.イコライザーの前後段増幅において非常に小レベルなノズの増幅器が必要となる。
2.L素子(インダクター)のクオリティが重要となる。
3.電磁シールドが必要となる。

特に、良いインダクターを作れるところが無いのである。まあ、全体がNF型やCR型に比べコストが掛るうえに技術(ノウハウ)が必要となってくるので、頭が良いだけでは出来ないのである。私が知る限るで、一般市販品でこのLCR型を採用しているものがあるのはコニサーだけだ。コニサー製品のすべてが採用しているかは定かでないが、LCR型を採用している型番は失念した。たしか数100万円はした。しかし、コニサーは確か半導体とハイブリッドだったと思う。コニサーに関してはネットでも情報が極めて少ないので、聞いたことがあるオーディオファイルもすくないに違い無い。私は聞いたことがあるが、確かに良い音だった記憶がある。しかし、いかんせん価格が高すぎるのである。その試聴時は、アンプとフォノイコライザーだけで1千万円を軽~く超えていた。これでは、頭の片隅にも置けない。
 私の使用しているフォノイコライザーはプリアンプ部と含めて40万円である。一般的なハイエンドフォノイコライザーとしてはプリも含まれるので破格の値段だ。しかし、単純に値段で判断しないでもらいたい。職人の技(わざ)は値段だけでは判断できないものである。聞いて、耳で判断してもらいたい。数100万円のフォノイコライザーが霞むであろう。私はFMアコースティックの「FM222MKII」400万円弱のものと比較したが、気配の再現性でこのLIVE5に軍配を上げた。これは衝撃としか言いようが無い。しかしこれが、会社と屋号の違いである。職人の技なのである。これは作品である。

 本当に良いものは大量生産できない。改めて感じるLCR型フォノイコライザーの驚異である。
by omirabakesso | 2013-06-22 14:23 | オーディオ

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