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タヌキ親父の部屋

E130L改良 その2

 20日に戻ってきてからまだ2日しかたっていないがずいぶんと聞きこんでいる。といってもまだ2日である。気が付いた大きな変化をお伝えしよう。
 今まで、多くのメーカー製のアンプを聞いてきた。ガレージメーカーから大手メーカー製まで内外を問わず聞いてきた。ここで感じるのは意外と“癖”のあるアンプが多いということだ。癖のあるアンプとは別の言い方をすれば作られた音の鳴り方をするアンプということだ。総じて綺麗な音である。ここで注意していただきたいのは、綺麗な音とリアルな音は違うのであるということ。一般的に、何でも少々デフォルメ(強調)した方が“らしく”思えるものである。写真やビジュアルなら、階調を少々犠牲にしても彩度を高くする、声帯や顔のものまねなら大げさに表現する。などだ。同様に、オーディオにも各社色々強調して作っているようだ。しかし、これが結果として、長く聞いていると疲れる、音量を上げるとうるさい、変な高域、低域が耳に付く、などといったことが起きているのである。生の楽器の音は意外と地味な鳴り方をするものである。ヴァイオリンなどは良い例であるが、オーディオで聞くヴァイオリンはうるさく感じるという貴兄は多いだろう。しかし、一度でも生で聞いたことのある貴兄ならお分かりかと思うが、生で聞くヴァイオリンの音色はそんなにうるさく感じなかったのではないだろうか。

 さて、もう一つ現代オーディオ再生に欠けているものがある。それは立体感の伴った音場の再生である。まず、半導体アンプの多くは奥行き表現に乏しい。また、多くのアンプが高さ表現が出来ていない。幸い、私の使用しているE130Lはそのどちらも表現されていたのでさして気になっていなかったのだが、今回の改良で今まで味わったことの無い表現が出てきてしまったのには目から鱗が落ちた思いであった。どのような音かというと、非常に難しいのだが・・・“音が立った”感覚である。これまで、いろいろなオーディオに接してきて初めての感覚である。確かに奥行きや広がりなど立体感にあふれた再生音というのは良い製品としての指標として良く聞いていて、自分でも何が実際の音と違うのかという点について、単純に音質、定位や空間的なことをこれまでは追求してきた。そして最終的に、音質、定位や空間的表現がとても優れている製品に巡り合った。

 しかし、決定的に足りない部分があったのである。

 生の音には、明確な高さが存在している。これは物理的な高さではなく、音が持っている高さとでもいうのだろうか、上手く表現できないのが残念だが、生の音というものは“音が立っている”のである。感覚としてお分かりだろうか。これが伴っていないと、「本当にそこで演奏しているようだ」という感覚にはならないのだということを、今回のこの改良で初めて分かったのである。まさしく初体験のことである。初めての体験なので上手く表現できない。上手く表現できないが、生演奏では意識しなくとも感じていることなのである。この表現が再生できてこそ立体感と定位というものが確立されるのである。

 改良版を聞き始めてまだ3日目である。分子が安定するまで7日は必要だ。これからもどう変化するか楽しみである。
by omirabakesso | 2013-03-22 13:47 | オーディオ

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